2011年7月9日土曜日

番外編=07/09:「元祖 豊天商店」

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● あちこちでマラソン練習をしているランナーをみかける


 一カ月ほど前のことである。
 夕方、住宅地を散歩していた。
 後ろからタッツタッツタッタという足音がした。
 GCマラソンが近い。
 練習しているのだろうと思って、道をゆずり舗装道を降りて芝生を歩いた。
 大柄の青年が脇を通り抜けていった。
 何気なくその後ろ姿を見たら背中に、見慣れぬモノを発見した。
 屋号である。
 屋号が上着の背中についているのである。
 揺れていて文字内容は確認できなかった。
 何、ナンデ.....
 屋号が刷り込まれているものといえば、半天=ハンテンになる。
 まさかこの青年、半天を着て走っているのだろうか。
 お祭りじゃあるまいし。
 前が見えないので正確なところは不明である。
 もし半天なら、どこで手に入れたのだろう。
 そしてなによりも、なんでそんなもの着て走るのだろう。
 それとも中国スタイルで、そういう上着があるのだろうか。
 一瞬、訳がわからずとまどったが、そのうちまた会うこともあるだろうから、そのときはじっくり観察しようと思った、のだが。

 信号もなく、車の往来もまばらで、歩道も整備されているので住宅地の一区画をぐるりとまわるだけで楽に1キロほどの障害なしのコースが幾通りも作れる。
 私の住む団地区画を含む一画なら1.4kmを交通に全く神経を使うことなく突っ走れる。
 この青年もそういう住宅地のアチラコチラを走りまわっているのだろう。
 が、である。
 この青年なんと突き当たりのT字路を戻ってきた。
 どうして。
 右へ行っても、左へ行ってもどちらでも風景は変わる。
 その分走りやすいはずであるが。
 なにも、Uターンすることはあるまいに、と思ったが。
 
 向こうから近づいてきた。
 これはチャンス。
 半天かどうか確認してみよう。
 いつも持ち歩いている手のひらサイズのコンパクトデジカメのスイッチを入れておく。
 半天ではない、普通のTシャツである。
 前側は変哲もない模様。
 行き違った。
 その背中にカメラを向ける。
 まちがいなく、屋号が刷り込まれている。





 アップしてみる。
 「豊天商店」とある。
 それも「元祖」とある。
 元祖があるなら、本家もあることになるのだが。



 いったいこんなもの、どこで手にいれたのだろう。

 帰ってきて調べてみた。
 あるんですね、これが。
 これ「ほーてん」とは読まずに「ぶーでん」と読むそうです。


豊天商店公式ページ
http://jp.ask.com/web?l=sem&ifr=1&qsrc=999&q=%E8%B1%8A%E5%A4%A9%E5%95%86%E5%BA%97%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8&siteid=21039&o=21039&ar_uid=A8364B51-A869-45B3-A5AF-18B33A46375A&click_id=B5E714CE-B329-4855-AEB2-88D44E29BFDB






 まあいろいろと。











 世の中には奇妙奇天烈なことが多々あるようである。
 モノがあることは分かったが、なんでこんなものオーストラリアンが着ているのだろう。
 少なくともこのデザイン、この地の人の好みではない。
 よって自ら取り寄せたということはないし、日本に行ったときおみやげに買ってきたということも考えられない。
 とすると、知り合いに日本人がいて、その人が冗談半分面白半分に
 「いまこれ日本でブームなんだ」
なんて言って贈ったとか、そんなところではないだろうか。
 もらった方は
 「ウーン、どうしよう」
と考えてしまい、普段には着れないし、そうだ、サッツとすれ違うだけのマラソン練習に使おう、と考えたりして。

 で、この青年だが「元祖 豊天商店」の屋号入りなる
 ブーデンTシャツ

を着て、今年の本番のゴールドコーストマラソンを走ったのだろうか。




 [GC Marathon 2011] 



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